16-寂寥

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暗くて音のしない部屋に帰り、コンビニ飯を食べる。 離婚したら毎日がこれかと思うと、最初引越して来たばかりに感じた寂しさが募った。 気楽だが、冷たくて寒い部屋。 これから歳を重ねて、このまま1人だと思うと 気が滅入るが、いつか倫太郎のように独り身がいいと公言しているのだろうか。 元々独身貴族の倫太郎が感じるかもしれない寂しさとはまた違い、咲子や子供達と一緒に過ごせない喪失感そんなものが押し寄せてくるだろう。 この滅入る気分を晴らすため、水曜日久し振りに萌ちゃんに会いに店に寄ることにした。 金は身を滅ぼすと身を持って知った教訓を肝に銘じ、借りてまで遊ぶのは辞め、同伴もアフターも誘わない。 酒を飲み、話して元気を貰いに行くだけだから。
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