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3-邂逅
「やっぱり、朝帰りね。少し寝るんでしょ〜」
咲子がリビングから、声を掛けてくる。
いつもなら、誰とどこで、何してたの?と煩い質問が来る所だが、やはり昨日は無礼講だったのだ。
何も聞いてこないことへの安堵と、心疚しさが交錯する。
せめてもの罪滅ぼしのように、夜は、みんなで外食しようと声を掛けて、逃げ込むように
寝室のドアを閉めた。
今まで考えたこともなかった体験だった…。
自覚していなかっただけで、潜在的に欲望していたのだろうか。
遊びも含めたら両手くらいの経験はあるが、貪るように欲し、正気の沙汰ではなかった。
太り過ぎず、痩せ過ぎない体型の女が好みの俺は、あの2人のような体型の女を選んでこなかったのだ。
いや、体型云々ではない。
全てが始めてのことばかりだ。
まさか、自分が…。
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