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「ふーん、じゃその子連れてくね。条件ってのがいただけないけどそれぐらいは許してあげる」
パリンッ
一瞬の事だった
兄様達の結界が壊れたのは
「そんなので守ったつもりかもしれないけど魔族には壊せる、あまり舐めない方がいいよ」
そう言って鎖を手首に付けドラゴンに乗せられた
「兄様!しばらくの間留守にします。どうか体調に気をつけて」
胸の空虚に知らないふりをして笑顔でそう言ったすぐにドラゴンは飛びたった
「しっかしバカだね君。気が変わってすぐに殺されるかもしれないのに」
「いいんです。そうなったとしてもそれが僕の役割だっただけです」
「変な子」
寂しいなぁ
でも頑張らなきゃ
やっと役に立てる時が来たんだから
それより
「あのぉ、落ちそうなんですけどどうすれば」
「はぁ、面倒くさ、落ちてよそのまま……いや魔王様に怒られるからやっぱり落ちないで、仕方ないから僕の服掴んでいいよ」
意外と優しい……でも魔族だもんね気を張ってないと何されるかわからない
大人しく服を掴んだ
しばらくして
「まだかかるけど変な子だね。殺気がこれっぽっちもないんだなんて、何考えてるの」
「えっと…何も考えてないです」
これは本当
「変な子だね。その鎖で首を絞めるとかさ考えないわけ?」
鎖で…
「いけないことです。命は大切にしないといけません。例えそれがあなたがた魔族であっても」
「意味わかんない、まぁせいぜい足掻いてみせてよ。そのよく分からない綺麗事でさ」
綺麗事で片付けるこの人は命の重みなんて考えたことも無いのだろうか
分からない人に教えようとしても意味が無いことは知っている
「さて、そんなことは置いといてあれが魔王様のいる城、魔王城だよ」
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