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カール「ケルトの者どもは、殆どカレドニア(スコットランド)に追い払われて、今のブリタニア本土はすっかりサクソン人のものとなっているではないか。今更、ケルトの王のおとぎ話でもあるまい」
こーちゃん「おそれながら、大帝も今やこのヨーロッパ大陸を支配するお身の上でございますが、それも西ローマ帝国の肩書きをお持ちだから、この大陸に住む人々がひれ伏しておるのではありますまいか?」
カール「東ローマ帝国との関係もあるため、わしからは正式に名乗った覚えはないが、ローマ教皇猊下との関係から、事実上の西ローマ帝国皇帝という者が多いのはたしかだ(正式の即位は西暦800年)」
こーちゃん「それと同じことで、ブリタニアでは、アーサーの名を継げる者でなくては、彼の国の総君主になることはできません。おそらく王子が帰還を躊躇しておられるのも、自らがアーサーの名を継ぐ者と認められるかどうか、そこを危惧しておられるのでしょう」
カール「話は分かった。だが、今はアレにブリタニアに帰還して貰わねばならん。来るべきデーン人の襲撃に備えを一日でも早く彼の島国に築かなければならん。コズエ(と呼ぶ)」
こーちゃん「(表情を引き締める)」
カール「魔法でアレに帰還を決意させよ」
こーちゃん「それはムリです。魔法で帰らざるをえない状況は創り出せても、人の心までは変えられません」
カール「だったら、帰らざるを得ないように仕向けろ。魔法女子だろう?何とかせよ」
と足早に歩き王の間を出ていく。
ひとり取り残されるこーちゃん。
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