明治恋物語

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 異国から流れる料理なら、まだまだ日本に来るのは先の話だろう。天ぷらと同様に高級店ならば、値段を見て気が遠くなりそうだ。 「はい! 美味しそうなので喜んで」  でも、先生が言うのだから大丈夫。  そう信じて、先生の明るい表情を暗くさせないようにした。  のちに半信半疑で噂を聞いた。今年に銀座のお店で“ 豚肉のカツレツ ”があると。  だから先生と実際にお店があるのか、確かめようと決めた。  もし、お店があったら水族館の前にご飯を食べるという計画を練って、先生を喜ばす事だけを考えたのに。
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