明治恋物語

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 研究家である先生は、新しい物が好きだった。  現在は日本を離れ、遠い異国へ渡り住んでいる。日々研究に没頭しているらしい。  かつて、国が西洋を取り入れようと動いた。  当時の人々は、衣食住の違う異国に戸惑いを隠せなかった。そう聞かされた。  まあ、“ ある男性 ”だけが他の人々と違っていた。  その男性は元々異国で、短期滞在の経験があった。  だからか、既に西洋文化には馴染んでいたみたいだ。  逸早く散切り髪をした、と男性が言っていた。  他にも国の働きかけで、洋装を正装とし、異国を遠ざけてきた日本人が、次々へと理解し受け入れる。そういう時代。  今じゃ当たり前な西洋文化との生活。  でも、ひと昔の時期に好奇心一つでやってしまう男性。  その人物こそ、有作(ゆうさく)が慕う、先生こと舟國総一郎(ふねくに そういちろう)。  勉学や様々な研究、主な専門は機械や工業による商業との関係性だ。趣味の新たな発見、新しい物好きが幸をそうしたのか、脳内には膨大な情報が取り入れている。  そんな先生に勉学面などで、最もお世話になっている有作。教え子と先生の立ち位置。熱心で教え方が上手く、とても尊敬する男性だ。
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