その3

1/1
18人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ

その3

   そして、早くも初恋もやってくる。その女性は姉と同じ名前でエミーリエと言い、結局のところ、末兄ユーリウスと結婚してしまった。10才にも届かないときだから、兄にしたら問題外だったね。さぞやませた子どもに映ったことだろう。ぼくはこのとき、早くおとなになって、兄のように素晴らしいお嫁さんをもらうと心に誓ったんだ。  そんなころ、ツヴィッカウの北に位置するライプツィヒでは、女の子が誕生した。ぼくの運命の人、クラーラ。彼女はヴィーク家の二番目の女の子だったけど、お姉さんは生まれてまもなく亡くなったから、長女のような育てられ方をしたのだろう。  初恋と失恋が続けざまにやってきて、心がチクチク痛かった頃。北の街で未来の花嫁が生まれていたとは!     今回はここまでにしておこう。  ギムナジウムに入ってからのことは、次回に。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!