孤島のロマンス

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「ねぇ、君は泳がないのかい?」  大智からでも見れるように、パラソルで隠れていた男は、顔を覗かせた。  柔らかな首元まで緑髪が伸びている男。歳が近そうなのに少し幼い顔立ち。ガタイの良さと甘いマスクで微笑んだら、夜の女性はイチコロだろう。  そんなのはほっといて、まさか、ちょっかいを出してくる奴が居たとは思いも寄らなかった。 「いや、いい」  男の質問など適当にスルーした。  傍から見れば、愛想がない男と思われるだろう。目を開き驚く人も居た。  この際、他人の印象はどうでもいい。 (とにかくだ、ほっといてくれ)  愛想が悪い素振りで何かを思い付いた男は手を組んだ。  またしても話し掛けてくる。
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