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結局、父親に引っ張られながら大智は陛下と殿下の場所まで挨拶をしに伺った。
でも、目の前に居たのは陛下だった。周りを見渡しても殿下のような風貌をした人は居ない。
陛下が言うには仕事の電話が入り、席を外しているようだ。
「すまない、カラスザワ」
流暢に英語で会話をする2人。
陛下は深々な茶色のソファーに座っている。後ろに白色のカーテンが設置されていて、外の風が陛下の髪をなびかせた。
「いえ、滅相もございません。またコーアス陛下にお会いでき、とても光栄であります」
殿下が不在のため、陛下が代わりに謝った。それを慰めようとしている父親。
陛下と向かいあった状態で、父親と大智は立っていた。
「またまた、そのようにかしこまらなくとも。そちらは息子さんかね?」
陛下が喋っている途中、こちらをチラッと見ていた。
父親が返事をして、横にいる大智の背中をポンポンと叩く。
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