孤島のロマンス

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「初めまして、鴉沢大智と申します。以前から父に陛下のお話は伺っております。目の前でお会いでき、光栄であります。今後とも、父を宜しくお願い致します」  自然と歳を重ねていく内に学んだ、ビジネススキルを大智は発揮した。 「おやおや、カラスザワにしては立派な息子だね」 「有難うございます。他の来客の方も陛下とお話したそうですし、これで失礼致します」  陛下は褒めてくれて、父親も何気に頬を染めている。  後ろでつかえているであろう人達の気配に気付くと、他の人へ気遣いを忘れない父親。 「嗚呼、また話そうじゃないか、カラスザワ」 「はい、失礼致します」  笑顔を交わし合う2人。  傍から見れば、凄いだろうなぁと思う顔ぶれ。2人の話を大事そうに聞いているフリをして受け流した。  最後に陛下と交互に握手をして、かしこまった場面が終わった。  そのまま父親と部屋に戻る。  すると部屋に居た母親が、モカを抱えながらこう言い出した。 「モカとプライベートビーチに行きたいから、大智。折角だから行こう」と。
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