孤島のロマンス

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 現在、無数のパラソルがある中に居る。モカとはしゃぐ母親とは違い、大智はパラソルの下でポツンと座った。  外は異常に暑いから、水着に着替えておいた。体育座りで視線を落とす。  ただ目の前を歩く人々の足跡を見るという暇な時間を送っていた。  当たり前の事ながら人々は止まらずに歩いていく。 (はぁ、海は綺麗だけど・・・・・・)  視線を移し、遠目で太陽に反射している、キラキラと輝く壮大な海を眺めた。  海の水しぶきに当たりながら、水着姿の外人は騒いでいた。  正直に言うなら、日本の女性が良かった。顔をゆがめながら、歯に力を入れる。  外人はあんまり興味が無い。  一気に海辺を眺める視界が暗くなった。  パラソルの外から足元だけが見えた。大智と変わらない筋肉質の足で男だと分かる。  たった1人が大智の前で足を止めていた。  しかも、ずっと立ち止まって動こうとしない。
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