月の輝く夜に

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「 私の名前を知ってるの?」 富士子ちゃんは目を見開いて口をぎゅっと結び下を向いてる。そんな事を考えた事も無かったんだ。親からケガさせられて病院へ行くなんて思いつかなかったんだ。 「証拠が無いって両親は言うの。みんな私がウソつきだって思うって言うの。もう私に望みは無いから金輪際終わりにしようと思って。」 「 富士子ちゃんは両親が正しくないとわかってるでしょう。お家の中でクモさん達もアリさん達もほかの生き物達もいっぱい見てるんだよ。お庭の植物達も生き物達もみんな心配している。富士子ちゃんはいつも植物達に話かけてるでしょう、お水も優しくあげてる。お天道様もお月様も見てるし神様も知ってるよ。脳を奪われたらダメだよ富士子ちゃん。思慮の無い言葉で脳が溶けただけさ。」 月の光が差し込み続けて憂った私達の顔を照らした。
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