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「なるほどな」
低くささやいた。少女の肩がわずかに上がる。
「使命ね。お前にも守るべきモノがあるってわけだ、泣ける話だな」
薄く笑う。腰の剣をそろりと抜いた。
「使命のために死ぬ……口で言うだけなら何とも美しい死に方だな」
「……ハルベル、お前、何を」
「ちょっとお前は黙ってな」
指先で刃をゆっくりとなぞる。少女は無言のままだ。
「いいかガキ、たとえお綺麗な名目でもな」
少女を見据える。少女の、目を。
「死は、苦痛を伴う。それが、分かってるか」
少女が視線をそらす。
「……殺せ」
ハルベルの目が、すっと細くなる。
「——それが、お前の答えか」
口元を歪め、笑う。カラン、と音がして剣が地に転がった。
「……残念だ」
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