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少佐の家に到着したその日から、私は志乃さんに付きまとった。
彼女はお母様お姉様のお世話をしたり家族の食事を作ったりで忙しい。
私は必死になってこの家のしきたりを頭に叩き込んでいた。
「お食事って言ってもお米の少ない雑炊ですからね、すぐ出来るんですよ。
たまに小麦粉が手に入ったらすいとんを作ったりしますけどそれも貴重で…」
腕のふるいようがないと言いたいのだろう、志乃さんは不満そうにサツマイモを刻んだ。
「こんな時期にお世話になることになってしまってごめんなさい。」
「ああん!良いんです!私も話し相手が居てくれれば嬉しいし。
龍臣さまがお屋敷に人を呼ぶなんて今までなかったですし。
奥様も喜んでおいでですよ。」
「あぁ…少佐ってゴリゴリのカタブツっぽいですもんね。」
「ゴリゴリ?」
私たちは顔を見合わせて笑った。
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