月下の君は幻の如く / 彗星の奇蹟 9

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少佐はどうしても私を『お客様』に位置付けていて、奥様とお姉様との食事に同席することを命令した。 志乃さんはお姉様の傍で控えている。 昔の人だしセレブだし、食事中に喋るのはお行儀が悪いって眉をひそめるかしら。 だけど静かすぎて重圧感ハンパないし。 これじゃ質素な食事がますます残念に思えない? こっそり少佐を盗み見ると、まー姿勢良く隙も無く…感情も無く… ねぇ、美味しい? 無意識に笑ってしまっていた。 「奈緒さん、何かご不便は無いかしら?」 奥様が微笑んで私を見る。 「はい。とてもよくしていただいて感謝しています。」 「ふふ、良かったわ。 貴女さえ宜しかったらずっと居てくださって構わないのよ。
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