第九話 RPの基礎を身につけよう  ~奴隷の少女と住むことになった件~

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第九話 RPの基礎を身につけよう  ~奴隷の少女と住むことになった件~

 「まあ、だいたい事情はわかったわ。  それにその子、職業は運び屋ね。  今後、ディシデリーズの塔を攻略する仲間としても戦力になるわ」  ノルが俺にすりすりしてる所を見られた時はどうなることかと思ったが、  イズン師匠も事情を話すとわかってくれた。  「ご主人様のお師匠様よろしくニャ」  「……」  イズン師匠、何も言わず、じーっとノルの胸を見ている。  次は身長を比べてるのか?  胸も身長もイズン師匠の方が若干大きい。  ツルペタ同士で身長も150cmあるか、無いかの中でのわずかな差だが。    「よろしくね! ノルちゃん! かわいいわね」  イズン師匠、ノルに勝ったと思ったのかご機嫌だ。  急にニコニコしてノルに接しだした。  それじゃ二人とも帰るわよ。  ノルちゃんもいらっしゃい。  「はいニャ!」 ---  「のわあああああ! すごいニャ」   誰でも驚くよな。ボロくて小さい古道具屋の地下の扉をあけたら、こんな広大な庭と城があるなんて。   とりあえず三人とも俺の部屋に移動した。   RPを使って部屋の明かりをつけた。  「へー。明かりはもう維持出来るようになったのね。修行は順調ね」  「はい、師匠。次はお湯を出せるようになろうと思っています」  「とにかくこの部屋にあるもの全てをまったく意識しなくても動かせるようになりなさい。  そしたら、次の修行にすすむから」  「それじゃあノルちゃん。いらっしゃい。部屋を用意してあげるから」  ノルは俺の腕にしがみついてきた。  「ノルはここでいいニャ。ノルの飼い主はアルス様ニャ」  「いいから。来なさい」  イズン師匠が、ノルを連れていこうとしたが逃げてしまった。  「いやニャ! いやニャ! いやニャ! いやニャ! いやニャ!」  ベットの下に潜り込んでしまった。  ほんと猫みたいだ。  「わかったわ。  アタシもしばらくここに寝泊まりするわ。  アルスに修行もつけないといけないし止むなし」 「し、師匠、それはマズイですよ」 「何? ノルちゃんに何かいやらしいことしようとしてるんじゃないでしょうね?」 「す、するわけないじゃないですか!」  ロリっ子二人と同棲生活とかマズイだろう。  こんなこと世間に知られたら俺は破滅だ。 「ほれ。ベッドも3つに増やしたわさ」 イズン師匠が杖を向けると空間が歪んでベッドが表れた。 「師匠! 空間魔法で家具持ってくるとか、魔法をそんなことに使わないでください」 「何言ってんのさ。  魔法やRPなんて生活に使うのが基本だわさ。  アナタはアタシ達が快適に生活出来るようにRPでこの部屋の物が何時でも使えるようにしなさい」  部屋の明かりの維持はもちろん。  お湯をわかしたり、料理するための器具を動かしたり、お風呂のお湯を沸かしたり。  ありとあらゆることにRPを使った。  ご飯を食べた後の食器を自動で洗う機械とか現実世界の俺の生活よりも便利だ。  RPがつきることは無いが、俺の場合RPが強すぎてお湯が熱湯にならないように、器具が暴走しないよう気を使った。  ロリっ子二人の相手もしながらで気疲れしてしまった。  今日はもう寝よう。 ---  真ん中のベッドに俺。  左のベッドにイズン師匠。  右のベッドにノル。  ベッドで三人仲良く並んで、  じゃなーい!   ロリっ子二人に挟まれて寝るとか、これどんな状況だよ。  落ち着いて寝られやしないし、俺だってたまには1人で、  いや、そんなことよりもいくら俺がロリっ子に興味ないと言ってもイズン師匠は見た目は子供でも大人だし、ノルだって猫の1歳は人間の10歳なわけだし大人だろう。  うおおおおおおお。  寝られねえええええええ。 「ちょっと。  うるさいわねー。  何興奮して叫んでるのよ。  いくら魅力的だからってアタシに手出さないでよね」 「すんません」  思わず興奮して叫んでしまったようだ。  しかし、イズン師匠に直接手出すなとか言われると、それはそれで納得いかねー。  俺はロリっ子には興味無いんだ。  大人なセクシー美女が好きだし、愛しのフレイヤも居る。  いや、興奮して叫んだのは確かにヨコシマな妄想をしたからだが。 「のわああああああああ!」 「ちょっと言ったそばから何よ」 「すんません。もう寝ます」 「さっさと寝なさい。明日は訓練場で特訓よ」 「はい」  思わずまた叫んでしまった。  俺の右腕を抱き枕のようにしてノルがしがみついてきていたのだ。  俺の右半身が完全にホールドされている。  小声でそっとささやいた。 「ノル。自分のベッドに帰りなさい」 「むニャ、むニャ……」  こ、こいつ寝てやがる。  ま、まずいぞ。これは。  隣にイズン師匠が……。  いや、この状況だけならノルが勝手に入ってくっついて来たんだ。  悪いのはノルだ。  だ、だが、俺の股間を見られたら全てが終わる。  これは男性の生理的な反応の一種で決してノルをどうこうしようというものじゃない。 「ちょっとー。  何ゴソゴソしてるのよ。  変なことしてないでしょうね」 「す、すんません。ね、寝付けなくて。おばあちゃんに教えてもらったすぐに寝られる指体操してました」  意味のわからないことを言ってしまった。 「何よー。さっさと寝なさいよ。ムニャム……」  どうやらイズン師匠も寝落ちしたようだ。  しかし、この状況をなんとかしなくては。  朝まで興奮して寝られない。  ノルのやつロリっ子のくせに俺に触れた腕や太ももが柔らかくて気持ちいい。  それにたまに触れてくる猫の尻尾や耳。  まるで俺を誘惑するように俺の体をなでてくる。  ノルのヤツを一度起こして元のベッドに戻さないとこれ以上は。 「パパ……。ママ……。会いたいニャ……」  ノルは涙を浮かべていた。  ノルはまだ子供だ。  別れた両親が恋しくて夢を見てるんだろう。  奴隷として捕まった時に両親がどうなってしまったか?  悪い想像しか浮かんでこない。   (今日はこのままにしておいてやろう) --- 「きゃああああああああああ!」  昨日は何時の間にか寝てしまったようだ。  イズン師匠の叫び声で目が覚めた。 「何、朝っぱらから叫んでるんですか? 師匠」 「へ、へんたいぃぃいいいい!」 「え?」  ノルが俺の上にのかって寝ていた。  まるで騎乗するかの様に。 「のわあああああああああ! ノル起きろ!」  ノルを抱き起こしたが目覚める気配が無い。 「アルス! あなたこんな小さな子どもに手を出すなんて! 変態よ!」 「ご、誤解です!」 「どうしたニャ? まだ欲しいニャ。ムニャムニャ……」 「ちょっ! ノル! 誤解を深めるような寝言を言うな! 起きろ!」 「きゃああああああ! やっぱり! 変態よ! 変態!」  こんな調子じゃあ修行どころじゃ無い気がする。  どうなっていくんだ? 俺……。
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