鋼鉄の斧

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「では、この鋼鉄の斧ではなかったのですね」  女神が差し出した斧を見てピエルは、そんなもん、金銀に比べたら雀の涙ほどの値打ちしかないと思って言いました。 「はい、そうです」 「あなたは形式主義ですね」と心理を読める女神は言いました。「そういう人は嘘つきなものです。よってあなたには何も与えません」 「えっ、ちょ、ちょっと!」とピエルが言っている間に女神は七色に輝く渦の中に消えて行き、水面が元通りになりました。
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