女子上司

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 俺はそれから午後になるまで落ち着かなかった。お昼の時間、コンビニ弁当を食べていると、事務の茜ちゃんが首を傾げて聞いてきた。 「浅見さん、なにかあったんですか。立ったり座ったり」 「い、いや、茜ちゃんは新しい係長のこと聞いてる?」 茜ちゃんは、保育園に行っている子供がいる一児の母だ。茜ちゃんと気安く呼んでいるが30歳、俺よりお姉さんである。 「あ、ええ、聞いてます。若い女の子なんですよね」  やっぱりそうか。どんな女の子なんだろう。俺が頭を抱えて考え込むと、お客さん専用の入口が開いた。 「あの、すみません、今日からここに赴任することになった酒井です」  黒縁眼鏡をかけてはいるが、目が大きくて、まつ毛の長いのが見て取れる色の白いスラっとした美少女が立っていた。 「も、もしかして、係長になる?」 「はい、今日から宜しくお願いします」 前言撤回、今日から仕事頑張るぞ。俺は小さくガッツポーズをした。 「あ、もう1時過ぎてる。さあ、行こう。一緒に営業周りに」 「はい、係長」 俺は満面の笑みで答えた。こんなに可愛い子は久しぶりに会った。
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