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日の出の少女
「朝になるね…」彼女との時間が終わると思ってた俺の言葉にかぶせて彼女は…
「湊さん…酔っぱらってますよね?だから、気にしないで見て下さい…なぜ私が日の出の前に帰るのかを…」彼女は涙を浮かべながら笑った。
海にキレイな朝日が昇る。
「…!!!」俺は本当に酔っぱらってるのか?!こんな事あるのか?!本当は一気に酔いは覚める…いや、冷めていたはずだけど…とりあえず、何故だろう…こんなに頭は動揺してるのに、心は動揺しなかった…きっと彼女の言葉も全てを俺は…
もう信じてる
日の出…
カグヤさんは、子供?少女?になった…
日の光を浴びながら…笑いながら…
ダボダボになっていながらも、なんとか着てる服で軽く手を上げて笑顔で彼女は言った。
「これが…帰らなかった代償…」そう言うと彼女は帰ろうとした。
唖然としてる俺…
このままでは、もうきっと会えない…
そんな予感がした
手を掴もうとするのに、いつもみたいに長くてキレイな手ではなくて、ダボダボの袖から少し出てる…可愛い柔らかい手を掴もうとした。
正直、迷った…この不可思議な出来事
「カグヤは、カグヤだよ…どんな姿でも、どんな代償だろうと…まだまだ解れない事が多すぎるのに、それでこの手を離せないよ」なんて俺の口から、よく出たもんだ…受け止めきれないなんて…言ってた情けない奴なのに…それでも、もう会えなくなるような気がして追いかけて掴んだ…
「もっと聞きたい…もっと知りたい…だから、教えて?」俺は必死になっていた。
掴んだはずの手を振りほどくでもなく、振り返るのを躊躇している彼女は…うずくまった。
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