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小さな手
簡単にいえば、彼女はかぐや姫…
何を言ってるんだと自分でも思いながら、もう信じている。
そして、もう何年も生きている…ただ月へ帰るタイミングを逃した代償で日が昇ると子供?少女?になる…そのおかげか、せいなのか、生き長らえている…
お爺さんとお婆さんのとこに戻ったものの…そのせいで、迷惑を余計にかけてると思いながらも…行き場のない彼女は、大事なお爺さんとお婆さんを介護しながら…それでも、そこで幸せだと居場所だと思い続けた。
戻るタイミングを失い、代償があるとは知らなかったものの、そのせいで求婚してくる者もいなかった…それでも彼女は、そこにいられたらそれで良かった…
だけど、彼女は…
1人になった…
自分で死ぬ事も考えた…
信じられる誰かに打ち明けようとした…
全て上手くいかなかった
彼女は、ずっと1人
俺は変な特殊詐欺にでもあってるのか!?そんなレベルは越えている。
ただ彼女に、もし騙されているのなら…それでも良いと思えると初めて俺の心が動いた。
小さくなった彼女の手を握る。
さっきまで一緒にチューハイを飲んでたキレイなお姉さんとは思えないような…そんな彼女の小さな手を握り歩く。
ずっと彼女は1人だったんだ…
人生の大きな決断をしたのに…
それから、ずっと…
ここが私の居場所だと思えたのに…そうではなくて、帰る場所もなくて…行き場がなくて…ずっと…
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