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独りぼっちのかぐや姫
あまりにも彼女の住んでるボロボロの古民家に俺は驚いた。
そりゃあそうだ…お爺さんとお婆さんと暮らした彼女の居場所…だったはずだったんだ。
それでも中はキレイに片付けられていた。ずっとここに1人…そう思うと涙が出そうになった。
「どうやって経済的に生活してるの…?」
リアルな自分が嫌になるような無神経な質問をした。
「夜は元の姿になるので…まぁ、夜のお仕事で…日払いってやつで…」彼女は、そう言いながらお茶を入れてくれた。
いろいろ聞きたい事や知りたい事、ツッコミ所もまんさいだが…それより、俺は彼女の人生や涙の理由…それがヒシヒシと伝わって、出されたお茶をゆっくりと飲み込んだ。
「笑わなかったの湊さんが初めてですよ…」そう呟く彼女は少し笑って、お茶を飲んでいた。
誰にも信じてもらえない…
打ち明けても笑われる…
彼女の大きな決断は、大きな代償があったけど…それで独りぼっち…
「良かったら…うちに来ませんか…?」どうしてだろう…俺は無責任で、とんでもない言葉を発した。
ただ…彼女をこれ以上1人にしたくなかった…ずっと1人だった彼女を、このまま置いてきぼりにしたくなかった。
もう会えなくなるような…
夢だったようなこの話から覚めたくなかった…
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