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2人の関係…
「ごちそうさまでした!」2人で手を合わせて片付ける。なんとも不思議な光景だ…今、目の前には幼くなった姿のカグヤさんがいる…
「あの…少し買い出しに出たいんですけど、今日は予定あるんですか??」ボーッとしていた俺に、彼女は洗い物をしながら聞いてきた。
そうだよな…この家には足りないものばかりのはずだ…男の1人暮らしで外食やコンビニで買ってくる物ばかり、あげくに同棲なんてした事もない…きっと足りないものなんて、たくさんあるはずだ。
特に趣味もなければ、予定なんてない俺は、彼女と出かける事にした。急いで支度をしないと…忘れかけていたが、夕方までには帰らないと元の姿に変わる彼女の心配もあったし、このまま2人で家にいても…何だか、どうして良いのか、自分の家なのに改めて考えると緊張して間が持ちそうにない…こんなんで、よく俺は勢いで彼女を誘ったもんだ…
「…寝癖ついてますよ(笑)」1人で悩んでる時に洗い物を終わらせた彼女がスッとコーヒーを出してくれ笑いをこらえていた。
寝癖をなおし、コーヒーを飲んで2人で出かけた。日用品や調味料など彼女はテキパキ買い物かごに入れていき、カートを押して進んでく…
「あっ!湊先輩じゃん?」突然、俺は声をかけられた。その女の子の声のする方を見ると高校時代の部活の後輩がいた。元々、人に執着心のない俺は、なんとなく顔は分かるものの名前が出てこなくて困ったが、この馴れ馴れしい感じは覚えがある…
バスケ部の時の…2つ後輩の…あの頃から馴れ馴れしい感じだった…けっこう話しかけてくる女子……誰だっけ……
「湊先輩!名前が出てこないんでしょ!?私ですよ、源ひなた!!」そうだ…思い出した…ガンガンに話しかけてくるこの女子…俺は苦手だったんだ…ピーチクパーチクと誰にでも話しかける彼女のアダ名は、ヒナ…
「あぁ…ヒナか…」俺は早々に離れたかったのに、面倒なやつに見つかってしまった。そんな俺に気付かず、少し先で一生懸命に高い棚の上の商品を必死に手を伸ばしてるカグヤが目に入った。ヒナの事なんて、どうでも良い俺は急いでカグヤが取ろうとしてる商品を取る。
「ありがとうございます♪やっぱり昼間は不便ですね(笑)」と笑うカグヤ。
「あれ?湊先輩、妹さんいたんですか?」ヒナの声がした…
「あっ…いや…えっと…」と俺はボソボソ言いつつ焦った。こういう状況に慣れてない…嘘も下手くそな俺だ…だからって、彼女はかぐや姫です♪なんてバカ正直に話したって仕方ない…そんな事を頭でグルグル考えてる間もヒナは勝手に話しかけてくる。
「まさか!?彼女!?いやいやいや、それだと犯罪でしょ(笑)そもそも湊先輩に彼女って(笑)どーせ、彼女とかもいないんでしょ?モテないというか鈍感というか女に興味なさそうですし(笑)」こうやってヒナは、いつもガンガン話しかけてくる…困ってた俺を見て、カグヤが笑顔で答えた…
「湊さん、彼女いますよ?湊さんは、とっても優しい人ですし」
え!!?
俺は更に動揺した。
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