物語の続き

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何の話だか分からないまま、俺は彼女の真剣な眼差しに吸い込まれる… 「え…?」ポカンと俺は、きっとアホずらだっただろう…そんな俺を見ながら彼女は笑った。 「帰らなかったんです…帰らないといけないと分かってて帰ろうとしたんです…でも、まだお爺さんやお婆さんと一緒にいたいし、故郷と言えど育ててもらった場所が故郷でしたし、私にだって居場所が欲しかった…いても良い場所が…」と彼女は切なそうな顔をした。 居場所… あまり考えた事がなかった… 引っ越しが多くて、家族との関係も薄い俺に故郷や居場所という実感がなかった…思い出の場所、母校などは分かるが…居場所と言われると実感した事がない… 彼女が言いたい居場所は、俺の実感した事のない場所… 「居場所…?」思わず俺は呟く。 「何者か分からない子供を育ててくれて、愛してくれて…いろんな人に出会い、いろんな出来事があって、もっとそこにいたかったんです…それでも、私がいると迷惑なんじゃあって何度も思ってたらお迎えが来て…お別れしないといけなくて…決める前に決めざる得なかった…それでも帰る途中で、やっぱり帰りたい!残りたい!と思っちゃったんですよね…」哀しげな彼女は、そう話しながら今にも、また涙が溢れそうだった… 「それで…?」俺は、おかしのか?彼女のおとぎ話に乗っかっている…というより、彼女が嘘をついてるように思えないほど、真剣に話してくれてると感じたから。 ただ聞きたい… ただ知りたい… 彼女の話を…もっと 「それで、実は降りたって言うか戻ったんです♪月に帰らず…そしたら…」さっきと違い笑って話し出したはずの彼女の目が曇る。
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