第一章 指令

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第一章 指令

西暦2064年世界は大魔王と呼ばれる2人の異星人に支配されていた。 この物語は街談巷説(がいだんこうせつ)怪奇伝集(かいきでんしゅう)道聴塗説(どうちょうとせつ)怪異譚(かいいたん)どれにも該当しない。 大魔王とは自らがその名を名乗る際に用いることが多い尊称がセオリー。 しかしこの話は特殊で、自ら大魔王と名乗っている訳ではない地球人から呼称されているのだ。 地球内の知的生命体である人類はそれぞれの「神」と崇められる存在を信仰している。 信仰の対象となる「神」は人によって異なり当然「神」を信仰しない人間も少なくない。 理解出来ない事の為の説明に信仰される「神」という不確かな都合の良い存在。 しかし異星人の存在を証明出来る事を多くの人間が理解している。 この世界の人間は確かな根拠を元に異星人を崇拝し恐れてきた。 宇宙人と異星人の違いを説明すると宇宙人に地球人が含まれるが異星人は地球人を含まれない。 人類の科学を遥かに凌駕した異星人が地球にメリットを求めるとしたら資源と侵略した後の労働力だ、いや地球レベルの資源など他の星で生成出来るだろう。 残るは侵略だ。 そしてこの世界には魔法の科学的根拠が成立し魔法が成立する世界。 更に魑魅魍魎の類のモンスターといえる存在も実在する。 そして宇宙を作り出した’虚無’という存在、時間流れと物質を生み出した謎の存在、降魔の書とは降魔光神の正体とは。 SFやゲームだのファンタジーアニメだけの世界の話ではない。 しかしこの世界は日本が法治国家である事は同じだが。日本で悪事を働けば軍の警察に逮捕され、国家の司法権により法に裁かれ刑を受ける。 何故魑魅魍魎の類や魔法などが存在するかと言うと世界線の話をしておこう。 これはこの物語における重要事項である。 世界線の近傍において、ある程度の揺らぎは全て同じ未来に収束してしまう現象が起きるつまり、どんな行動を起こしても結果が定められてしまい其処から逃げる事は出来ないものとされている。 未来は確定されている。 確定された未来を変える方法は世界線の移動だ。 世界線が移動する場合以前の世界は消えてなくなり移動した人間の存在しない新しい世界が再構築されるというものだ。 親殺しのパラドクスと言うのがある、自身がタームリープし祖父を殺害すれば当然自分は生まれてこないので殺しに行く事も出来ない。 しかし世界線の理屈ではこの矛盾は解消される、例えばAという存在がβ世界線からタイムリープするがその先はα世界線でありAが祖父を殺害するもα世界線では祖父が殺害された状態でα世界線は進行しAが元いたβ世界線には何の影響もないのだ。 畢竟(つまり)はタイムリープして現在の世界線に到達する確率は分母を無限大とした1の確率であり要は不可能なのだ。 稀に同一世界線でタイプリープし記憶を継続して持ち続ける人間多重世界線記憶所持者の存在もいる。同一世界線でタイムリープした場合移動した場合空に黄色い雲が発生する。 黄色い雲を見ると言う事、これはイレギュラー中のイレギュラーだ。 この物語も世界線の1本でしかなく我々が認識する世界のそれではない。 その世界線に異星人が地球に降り立ち魔法やモンスターなど異世界の定義というものを確立してくれるだろう。 そしてその異星人の侵略に対して主にアメリカが異星人にちょくちょく紛争をおこすも全て敗れ一度大規模作戦を各国が多国籍軍として異星人の討伐に挑んだが強大な魔法力に壊滅させられてしまった。 史上最大の作戦が失敗し以降このような事はなく事実上地球は異星人達に征服された事になる。 異星人組として男性異星人オルガンと女性異星人ティナの二人が存在する。 二人の異星人の性格は短気で好戦的なオルガンと冷静沈着で頭もよくオルガンのブレインでもあるティナだ。 オルガンは184cmの長身で金髪のリーパー(リーゼントパーマ)で2000歳を超えており外見は20歳前後だ対しティナは身長164cmと普通の美少女で1900歳を超えている外見は18歳前後だ。 因みにオルガンはヘビースモーカーで普通にタバコを吸うと一吸いでフィルターまでいってしまう為、もったいないので肺活量を抑えて吸っている そして彼等は冒頭で述べた通り異星人だが容姿は人間と変わりなく地球人より若干耳が小さい。 更に後に大魔王と呼称される異星人達は地上を混沌に導く為に魔界からモンスターを召喚し人類の脅威となる。 それ以外はいたって平和で大魔王の脅威から戦争を起こす国もなく世界は一つとなり団結していた。 部隊となるのは東洋の島国日本現在アメリカ軍と臨戦態勢にある。 ここから先は時は2026年これは異星人の拠点通称’魔王城’完成時の回想であり人類最大の討伐作戦である。 場面は変わり場所はカナダのノースウェスト準州そして... オルガン「空間系結界魔法アナスタシア」 アメリカ軍兵士「アメリカ軍大将へ通達、対象の基地を捕捉しました」 アメリカ軍大将「原子力潜水艦ミシガンよりトマホーク全弾発射」 「スドドドドドーーーーーーーーーン」 爆炎が晴れる。 アメリカ軍兵士「対象を目視で確認、依然健在です」 アメリカ軍大将「大至急撤退準備だもうすぐロシアの切り札'TSAR BOMBA'のご到着で我々も巻き込まれてしまう」 ロシア軍兵士「全多国籍軍へ通達非難確認OK’TSARBOBBA’投下十秒前」 TSARBOBBAとは人類史上最大の核兵器で水爆である。 その性能は核分裂ー核融合ー再度核分裂と3段階の反応で100メガトンの威力を実現し広島原爆の3300倍の威力をとなる。 さらに第二次世界大戦中全世界で使われた総爆薬量の50倍にも匹敵するアメリカですら作れなかった規模の水爆だ。 ロシア軍兵士「3秒前2秒前.1秒前投下」 fa5b24e6-d2d6-4bd7-b7cc-bc2449109dc8 「ズドドドドドドーーーーーーーーーーーーーーン」 地形を変動させる威力の水爆が魔王城に投下される。 そして数時間後多国籍軍オンタリオ州基地にて。 兵士「最大望遠で対象基地を確認...依然健在です更に上空に2体の人型飛翔物体を確認」 f31a2acd-a547-4a0e-a9eb-1616415ea2d3 オルガン「俺は此奴等(こいつら)を殺る!!ティナはカメラクルーを捕まえ世界の覇権は我らにある事を報道しろ」 ティナ「了解」 ワシントンD.C.ホワイトハウスにて。 大統領「不味いぞロシアに最後の切り札を使わせてしまった。もう手がない」 大統領主席補佐官「大統領テレビをご覧下さい」 テレビには女性と思われ顔に仮面をつけた人物が何やら話し出した。 ティナ「多国籍軍の皆さんに各国の大統領、地球の覇権は我々二人の私物とするから!まぁ皆殺しにはしないよ!目的は我々に従順で戦争のない星の育成だ。我々の脅威となる者は全力で排除する。今回の多国籍軍には全滅して貰うよ皆殺しって事で宜しくね」 アメリカ大統領「ノストラダムスの予言の新解釈が当たってしまった。恐怖の大魔王が二人も存在する。モンスターの存在だけで多数の死者がでているというのに主席補佐官!大魔王の存在は一人とマスコミには流すんだ、二人も存在するとなると混乱が生じる」 此処(ここ)で初めて’大魔王’と呼称されるようになった。 そして恐怖の大魔王が二人いる事もトップシークレットとなった。 イレギュラー中のイレギュラーで人類が神でも仏様でもなく大魔王を信じたそして大魔王は実在するのだ。 得体の知れない「神」は存在しない。 大魔王そのものが「神」なのかもしれない。 再びカナダ多国籍軍ケベック州基地にて。 アメリカ軍兵士「人型の飛翔隊が接近」 大魔王オルガン「人間共よ全滅して貰うぞ核系魔法爆核魔波!!」 オルガンが腕をブンと振るうと腕先から閃光が放たれた。 「ズドドドドドドーーーーーーーーーン」 2ec9eba2-c52c-4a92-b22c-c53c415684ef 多国籍軍10万人は消滅した。 アメリカ大統領「中継が途切れた、多国籍軍も全滅か最早大魔王に従うしか人類の生きる道はあるまい。せめて日本の魔法部隊いや暁の4戦士が動いてさえいれば」 魔王城にて オルガン「ティナお疲れ!当分こねーよ地球人は」 ティナ「そだねーオルガンの核魔法と自分達の水爆で大量に放射能ばらまいたから当分は此処に来ないと思うよ」 オルガン「だな、対応がめんどくせーしな!!早く人間共を皆殺しにしてーわ」 大魔王オルガンは地球人を皆殺しにして新たなる星を天地創造する事がメリットだと思っている。 そして数百年が経過する。 時は西暦2064年二人の大魔王は数百年と長い年月をかけて大魔王として君臨し全ての国の言語と文化を吸収し理解していた。 とある日小さな球体状の飛行物体が魔王城付近に落ちる。 「ズドーーーーーーーーン」 オルガン「久々に人間共の攻撃か?ティナ透視魔法で確認してくれ」 ティナ「ハーイ!あれ母星の小型船だよ。しかも元帥クラスが乗ってる」 オルガン「ヒャッホー!ついに人類殲滅計画の指令が来たかぁコペルニクス元帥が着たんだろ!!」 その人物は空間系瞬間移動魔法テレポーテーションで瞬時に現れた。 コペルニクス「ようオルガン、ティナちゃん」 ティナ「お久です~」 オルガン「ちわっす元帥よーやく人類殲滅計画ゴーサインの指令ですか?」 オルガン「人類皆殺し♪地球人は皆殺し♪さぁティナも歌ってぇ」 ティナ「全く幼稚な大魔王だねぇ」 コペルニクス「いや、人類殲滅計画を実行する任務ではないぞ」 オルガン「はい?今なんと!?何でですか?人類何て頭湧いてる存在ですよ、豚や牛は平気で殺して食っちゃうしゴキブリ何て見た目がキモイという理由で殺すんすよ、自分達が食物連鎖の頂点に立ってると思ってやがる。それに動物は殺すのに人を殺すと罪に問われる。こんなおかしな生命体は殲滅した方が良いっすよ。この星の鉱物資源だって母星で生成できてるんですから殲滅以外はありえない、」 オルガン「人類は所詮猿のまがいもの、猿が信じる神は人間のまがいもの」 オルガン「それに人間の多くは存在しない神を崇拝しているそれを宗教って言うんすけど神が一人ならなんとなく理解出来る。その神が乱立しているんですよぉ更に布施と言ってお金をとるんですよ完全に営利目的じゃないですか」 ティナ「今の地球の科学力的だと人間って死んだら輪廻転生するって事を信じてる人が少ないんじゃないかな?寿命も100歳で長寿と言われる位短いから科学の発達も遅いし同じ過ちを何度も繰り返して何度も滅びてる。寿命が短い事って知的生命体として欠陥品だね!輪廻転生を知る科学力が無いから人々は神という者を作り出し宗教団体が増えるのね」 コペルニクス「ティナの言う通りだ!現在の調査ではB級下等生命体だが今後お前達が人間として社会に溶け込み生活し地球人の生態を綿密に調査せよとの大元帥からの命令だ期間が終わるまで母星に帰る事も許さん」 オルガン「下等生物の’人間’と一緒に生活!?ゴリラと生活するのと変わらないっすよそれ何て罰ゲームっすか!?因みにニシローランドゴリラの学名ってゴリラ・ゴリラ・ゴリラって言うらしっすよおもろいっすよね!あと俺頻繁にパーマかけに母星に帰ってるんっすけどそれも駄目何すか?」 コペルニクス「勿論じゃ!それにそのパーマ母星で流行しておるようじゃが地球人はかなり昔に流行した時代遅れの髪型だぞ今は地球人の流行にあわせるんじゃ」 オルガン「ちっ!しゃーねーなー」 コペルニクス「話を戻すと指令の内容はお前達二人は日本という国へ飛べ、オルガンお前には高校という所で教鞭をとって欲しいそしてティナはカフェの店員だ」 オルガン「日本の高校といやぁ義務教育が終わって行きたい奴が学力に応じて行きたい所に行くアレかっ。てか教師としてかよ!」 ティナ「私コーヒー飲んだ事ないけどカフェ何て大丈夫かなぁ」 コペルニクス「まぁ頑張れやお前等は若くして大将までに上り詰めたホープだしっかり任務果たせよ」 オルガン「俺は2000歳過ぎてるのに若いって言えるんすか!」 コペルニクス「まぁオルガンは見た目は地球人として見ると丁度成人した位だなティナはもう少し若い部類に入るかもしれん。まー宜しく頼むぞ特にオルガンは馬鹿だからティナがフォローしてやってくれ!そして呉々(くれぐれ)も人類は殺傷するなお前達はこれから人類として生きるんだからな!」 ティナ「AYE AYE SIR!オルガンはそんな馬鹿ではないと思いますが一応大将ですしおすし」 オルガン「ちっ!馬鹿って何すか。まーゴミクズ地求人は俺がしっかり教育してやるかーしかしティナよーですしおすしはもう古いネタだぞ」 コペルニクス元帥は去っていった。 ティナ「ねーオルガン覚悟は決めたかな?」 オルガン「モチのロンだ。それより金はどの位もって行くんだ?日本の通貨は円だそーだ」 ティナ「モチのロンは古いネタだよ!お金は必要だろうね私は150万円!今は1ドル106円位らしいよ」 オルガン「為替は週百年経っても大きく変動しないんだな」 オルガン「んじゃあ俺も150万円にしよっかなーなくなったらワンチャン空間系物体転位魔法で魔王城から引き出せばいいし」 魔王城にはありとあらゆる通貨が大量に溜め込んである福沢諭吉も数億枚あるだろう。 ティナ「それはなるべくやめよ!お金は自分で稼ぐもんだよ人間らしく生きるのが目的何だよ」 オルガン「そーだなこの仕事が終われば昇進が待っている!多分...」 オルガンは馬鹿だが魔法力の高さから評価を得ている逆にティナは魔法力は高くないが使えるその魔法の多様さに評価を得て大将になった。 そして3ヶ月間オルガンは日本の文献を読み漁りティナはスマホで日本の情報を仕入れた。 オルガン「愈愈(いよいよ)だなー日本は富士山見学と運転免許取得しに一度行ったきりだ。日本の何処へ行く?やっぱ首都の東京か?これからゴミクズ達の相手しなきゃいけねーのに人込みの多そうな東京は勘弁してくれ」 ティナ「あっそーじゃあ隣の神奈川にしよっか?詳細は流石に私の瞬間移動でも定まらないケド」 オルガン「お前でもそこまで細かくはテレポート出来ねーか!俺何て日本に向かって遠距離テレポートしたら多分韓国か中国に飛ぶわ!」 ティナ「じゃあ行くよ長距離teleportation」 彼等はまだ知らないこの世の秘密から宇宙誕生の秘密までその手に握りしめる壮大なスケールの体験をする事を。
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