第11章 ハブクラゲ

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私のメモと、雑学から。 那覇から南に車を15分ほど走らせると、糸満(いとまん)という街に入る。 中心街にあるロータリー近くに『氷屋』があり、その裏手に亮太の家があった。そこの“ぜんざい“や“かき氷“の種類、味を紹介するのが、小学生の間では流行っていたという。 数百メートル北に行くと漁港があり、多くの漁船が停泊していた。 泳ぐには危ない海だと思う。なぜかと言うと、『波布海月(ハブクラゲ)』がぷかぷかと数多く浮かんでいるからだ。毒蛇の『ハブ』、それと『クラゲ』がコラボした名前だ。怖いね……。 見た目、ひらひらと水面を漂うクラゲだが、実はトゲと毒を持つ凄い奴だ。 これに刺されると、ミミズばれを起こす。刺された場所にもよるが、痛みが我慢しきれず、狂乱するかも知れない。神経への刺激だ。()で中和するようにと、院長に指導された記憶がある。 極端な話。近くの定食屋に駆け込み、ご飯を食べている客から、餃子のタレかモズクの皿があればそれを分捕り、その傷口にぶっかけるといいのでは……と。 あくまで、緊急対応として例を挙げた。命に変えられない一刻を争う時の話。 気性の荒い海人(うみんちゅ)が客だったとしたら、「ふざけるな!」、と殴られるかも。傷が追加される羽目になりそうだ。
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