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「ごちそうさまでした。長い時間ごめんなさいね。久し振りにリラックスした時間を過ごせました。とっても美味しかった。用がなくてもお茶しに来たいくらいだわ」
靴を履いた浦野さんは、大切そうに鞄を抱き抱えて言いました。
「まぁっ。喜んでいただけたなら良かったです。お直しするものが無くても来ていただいて大丈夫ですよ」
「あら、本当に?じゃあまた来ます。雨宮さんのお人柄も、このお店に合っていて時間を忘れちゃいそう。タロウちゃんも可愛いし」
すっかり浦野さんと仲良くなったタロウは、別れを惜しんでいるのか、甘えて寂しがるような声で鳴いていました。
「じゃあ、そろそろ失礼しますね。ありがとうございました。またね、タロウちゃん」
浦野さんは小さくタロウに手を振りながら帰っていかれました。
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