繕い屋フィレール

紅葉の刺繍

小高い丘の上にある繕い屋フィレールの裏にはちょっとした森があります。

朝になると寝室には木漏れ日が射し込み、窓の外側に取り付けてあるフラワーボックスの縁には鳥がやってきます。

鳥たちのさえずりや羽音が私の目覚ましともなっているのです。

今朝はスズメにも似たカワラヒワという鳥が「キリキリキリ」「ビィーン」と可愛らしい声で鳴いていました。

骨董市で見つけてきた、時代や国が様々な家具や小物たちに囲まれ、美味しい珈琲を淹れて朝食を済ませました。

庭で育てたハーブで作ったマヨネーズで卵サラダを作り、トマトと一緒にサンドイッチに。

ハーブは好きなのですが、まだまだそちらは修行中。

「卵黄とお酢とサラダ油、塩コショウにハーブ・・・今回はバジルを使用。少しだけどにんにくも入れたのは正解だったわね」

気に入ったレシピはノートに書きためていきます。

「何事も、失敗を繰り返しても諦めなかった人が上手になるの。何歳になっても挑戦するのは楽しいことよ」

椅子に座る私のふくらはぎに体をぴったりと着けるようにしてお座りしているタロウの頭をちょんちょんと撫でてやりました。