その4

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その4

私はルシール…エレステイン王国の第一王女だった。 第一王女でありながら王位には興味など無かった私はて一早く辞退してただ唯一趣味の魔法の研究に励んでいた。 父上は考え直すように何度も説得しに来たが王位争いに巻き込まれて魔法研究を邪魔されたくなかったから断った。 そのような私がある人と出会ってから恋をして変わろうとした。 そう…勇者イネスシャクラ…この人と出会ってモノクロのように見えた世界が全て色付き始めた。 しかし…彩る恋になるにはあり得ない程…最初の出会いは酷かった…。 ある日魔法の研究で遅くなった私は自室に帰る最中に彼と出会った。 「ジグル!待てい!まだ体洗ってないぞ!」 騒がしい音と壁の角から泡まみれの父上の愛犬ジグルが通り過ぎた。 「お小遣いの為にも逃がす訳にはいかん!」 誰が騒いでるか確認の為角に顔を出した瞬間…ムキムキぶらぶらした男のアレが目の前に現れた あまりもショックで固まった私にそのムキムキぶらぶらのアレが顔に直撃した。 「きゃぁぁぁあああー!」 パニックになった私は………アレを思いっきり握りしめて捥いでしまった。 …それに何か爆ぜる感覚が手のひらから伝わった。 「うおーーーほほっ!」 彼は痛みで床に倒れて"ひーふーひーふひー"深呼吸をしてから泣き始めた。 「ああ…やべぇ!これ絶対爆ずれた…うううう…おれの人生終わったよ」 アレを見ながら切望に染まった彼の顔は…今思えば…一日中笑いが止まらない程だった。 流石に可哀想になったので再生魔法かけてあげた。 「ああ!この感触!丸タマだ…本当に再生した!」 彼は喜びながら………私の目の前でアレをもみもみしていた…。 「きゃぁぁぁあああー!変態!」 もうお嫁に行けない…それに汚れてしまった手だ…二度汚れても同じことよ! 怒った私は今度は容赦なくもう一度捥げようとした。 しかし…あのぶらぶらする奴は素早く避けやがった。 「先は驚いてやられたがもうやられない!ほーら捥いで見ろ!ほおーら!ほらっ!」 アレを私の目の前でぶらぶら揺らしながら挑発して来た。 死力を尽くしたが…奴の速さについて行けず息を切らした。 「もう終わりかな?」 今度は腰を振りながら揺らしやがった。 その時、騒がしい音に近衛兵達が集まって来た。 「近衛兵達!あの変質者を捕らえよう!」 しかし…近衛兵達は棒立ちして動かず困った表情をしていた。 「あの…姫殿下」 近衛兵一人が事情を説明してくれた。 「はあーー?この変態が勇者?」 「誰が変態だ!この痴女!」 「な、な、な、な!誰が痴女ですって!」 …これが彼との初めての出会いだった。
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