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―虹の祭壇― 七色のクリスタルが中央で煌めくこの祭壇は、リィズム王国の最大の秘宝で、あらゆる悪を切り裂くことができる真の〈聖剣〉が眠る場所だった。 「ついに来たぜ…〈虹の祭壇〉!今こそ…進化の時だぁ!俺がこの国の新たな皇になるのだぁ!さぁ、封印を解きな…王女!」 今ここで封印を解けば、リィズム王国はラズリートの手中になってしまう。そうなれば、大勢の人を悲しませ、裏切ってしまう! 王家の者として……絶対に解きたくない!こんな人のために解く封印なんてない! 「おら、早くしろ。俺の言うこと聞けねぇのか!」 「は、はいっ……“虹色に輝く水晶よ、王家の声を聞いたなら、今こそ眠りを解いて眼前に在りし者に剣の加護を”……!」 ナナリィの声を聞いた虹のクリスタルはその光をより強く放って、台座から外れた。 すると、ラズリートが彼女を突き飛ばし、そのクリスタルを強く握った。 「ついに手にしたぁ!これがあれば俺は全てを手中にできる!さぁクリスタルよ…俺を主とし、その力を余すことなく俺に捧げろぉ!」 ラズリートは次の瞬間、持っていた虹のクリスタルを自身の胸の中へ押し込んだ。 「ふはははは!……っぐぅ……ぬぅ……うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!これはいい!力が…力がぁ……漲って来るぞぉ…ぬぁぁぁぁぁぁあ!」 ラズリートは鬼族とは思えない呻き声と共に異形の姿へと変化した。 『いいぞ…いいぞ、いいぞ、いいぞぉ…これこそ俺が求めた力だぁ!さぁ…始めようか。破壊のショータイムってやつをなぁ!』 ラズリートは願いが叶ったためか、高笑いした。 (ごめんなさい、陽輝さん。私のせいで…私の国が……無くなってしまいます。こんな私をどうか……) 『せっかく手にいれた力なんだ…試させてもらうぜぇ?フンッ!』 ラズリートは右手をナナリィに突き出し、虹色の鎖で彼女を拘束した。 『パーティーの準備は整ったぁ…早く来いよ、弱虫な剣士のガキぃ……!』 ラズリートはナナリィをそのまま縛り上げた。
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