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―虹の祭壇― 『来たか……剣士のガキ!待ちくたびれちまったじゃねぇかよ!見ろよ、あれを!』 ラズリートは縛り上げていたナナリィの方を指差した。 「ナナリィさんに何したんだよ!どうしてあんなことしたんだよ!」 『決まってるだろ?お前を釣るための作戦さ…そうでなきゃこんなことするわけねぇだろ!』 ラズリートは虹のクリスタルで強化された羅刹剣を取り出して構えた。その異形の姿から放たれたオーラはどのモンスターが放つそれよりも恐ろしかった。 「陽輝さん、お手紙は読んだのですよね?なら、どうしてここに来てしまったんですか?」 「僕が……僕の意思で…あなたを助けたかったからです!国の人たちはまだあなたに失望なんかしてない!だから、今度こそ…最後まで守らせてください!」 陽輝も腰の剣を引き抜き、失意にくれていたナナリィに対して決意の意も含めて叫んだ。 『相変わらず形だけは立派な剣士だなぁ……腕はどうなんだよぉ!』 ガギィィィン! 「くっ……おおおおおおおおおおっ!」 陽輝はそのまま相手の力にあえて流され、その勢いを利用して受け流しながらラズリートの背後へ回った。 『なっ……コイツ、やっと手の内を明かす気になったか!剣士としては当然だよなぁ!』 しかし、ラズリートはもう一対の腕で陽輝を殴り飛ばした。 陽輝はそのまま空中を少し舞った後、何のクッションや受け身もとれずに地面に叩き付けられた。 「ぐぅっ…何でこんなに強いんだ。だけど…僕だって……まだ負けてないんだよ!」 陽輝は痛みをこらえて勢いよく立ち上がると、物凄い速さでラズリートに迫り、剣を振り下ろした。 剣と剣がぶつかる時の鈍い音とその勢いの凄さから発生した火花が辺りに飛び散った。 『虹のクリスタルは俺のものだぁ!つまり、この力は俺の力なんだよぉぉ!』 ラズリートは虹色の衝撃波を発生させ、陽輝を大きく吹き飛ばして、岩壁に叩き付けた。 しかし、次の瞬間、ラズリートの体に大きな異変が発生し始めた。
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