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ラズリートは次の瞬間、剣に力を込めた。すると、陽輝は体ごと大きく後ろへ吹き飛び、噴水広場の壁に激突した。 「がはっ………つ、強い。」 「ったりめぇよ!こちとら天下の羅刹皇ラズリートときてんだ!そんじょそこらの連中とは比にならねぇぞ!」 ラズリートの剣はなんと、空を切っただけでも軽く斬撃波を発生させることが可能なため、陽輝は服どころかで体も切り裂かれた。 おびただしい出血とそれに合わせて起こる激痛が彼を襲った。 「例えあなたが強くても…僕は負けません!必ずこの場をしのいで、最悪の事態になるのを防いでみせます!」 ギリリリリ… 「惜しい…惜しいなぁ…お前ほど手応えのある剣士がこんな単純な戦術しか練れないとは…可哀想だなぁ!」 ズバッ…! ラズリートの羅刹剣に押し切られた陽輝は右胸からたすき掛けのように一閃されてしまい、そのまま鞠のように転がった。 切られた部分からは先ほどよりも多く血が流れていた。 「悪く思うなよ、剣士のガキぃ…恨むなら力が及ばなかった自分を恨め…お前は人間、俺は鬼族……埋まることのない雲泥の差が招いた結果なんだよ、これは。」 「待て……お前なんかに……ナナリィ姫は渡さないっ!うわぁぁぁぁぁぁ!」 「諦めて血反吐吐いてくたばってろや!」 バキィィィイン……… 僕は、負けた。あの人の言う通り…雲泥の差が招いた結果だ。僕は無力だった。ミリアなしじゃこんなものなんだ…… 僕は薄れゆく意識の中、黙々と城内へ向かっていくラズリートを睨んで…静かに意識が闇の中へ落ちていくのを感じた。 ―刀匠ギールの店― 「……ここは、ギールさんの……」 「おう、目が覚めたか!ひでぇ出血だったから軽く教会で治療しといたぜ!」 「あ、ありがとうございます。…僕の剣は?」 「剣魂石なら、まだだぜ。けどよ、バキバキに割れたお前の腰の剣は今新しくしてるとこだ。なぁに、前より強くしてやるだけだよ。」 …そうか、僕の剣はあの戦いで…。 悔しい…凄く悔しい…このまま黙っていられない!
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