4416人が本棚に入れています
本棚に追加
/194ページ
それからは、一度も彼女を見ることが出来なかった。 ましてや話し掛けることなど全くないまま、パーティーは終わってしまった。
同じ部署の社員たちに囲まれて会場を出る彼女の後ろ姿を、俺は横目で見送った。
自宅のアパートへ戻り、小さなソファへドカッと腰を下ろした俺は、何もない天井を見上げていた。
ぼんやりと、彼女の笑顔が思い出された。
また会えるか・・・?
ちょっと・・・可愛かったな・・・
普段なら観ていなくてもつけているテレビの電源を、その日はつけずにいた。
音のない部屋で、大きく溜め息を吐く。
ま、どうしようもねぇか・・・
女の扱い方なんて、わからない俺が・・・
ちゃんちゃら可笑しいな・・・
仕事してりゃ、そのうち忘れるよな・・・
あのコのことなんて・・・
きっと・・・
最初のコメントを投稿しよう!