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早く渡して、ユリがどんな顔するか見たいな・・・
今日、渡せねぇか?・・・
水曜日だから、2課の飲み会に行っているはずだよな・・・無理か・・・
ま、ダメもとで連絡だけしてみるか・・・
俺は携帯を手にとってユリに「渡したいものがあるから飲み会終わったら電話して」とメールを送った。
すぐ「わかりました。連絡します」と返信がきた。
突然誘って悪かったかな・・・
せっかく楽しんでるのに・・・
先週、出社途中に小野寺がユリに話しかけているのが聞こえた。
社内でユリとの関係を隠している俺は、振り返らずその会話に聞き耳をたてていた。
『ユリちゃん、来週水曜日はあいてる?2課の飲み会があるんだ。ユリちゃんも来ない?』
小野寺の考えていることは、手に取るようにわかっていた。
ユリのことを「好み」だと言った遠藤にひき合わせ、仲を取り持ってやろうという魂胆だろう。
それを知らん顔で聞いていた俺は、小野寺のお人好しな性格に少し苛ついた。
小野寺、おまえなぁ・・・
遠藤のためにそこまでしてやって・・・
残念だけどユリは俺のものだから・・・
誰にも渡さねえよ、ばーか・・・
そんなことを考えながら、あの時は出社した。
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