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「あ・・・・・でも、そういえばあの慰労会のお話があったとき、氷室さんが少し怒った顔をしてて・・・。」
「んー・・・それは小野寺に怒ってた。」
「小野寺さんに?」
以前ユリのことを好みだと話した遠藤と、そのユリとの仲を、小野寺がどうにか取りもとうと目論んでいたことを話した。
「あん時、ユリを飲み会に誘ってる魂胆が丸見えで・・・コノヤロー、ユリは俺のだーってムカついた。」
「ふふっ。・・・・・俺のだーって?」
「ん。ユリは、俺の・・・・・だろ?」
「・・・・・はい。」
彼女は睫毛をふせて、ゆっくりと頷く。
俺はその頬にそっと触れて、なるべく優しく誘い、とびきり甘く溶けるような視線で至近距離から瞳を見つめ、ゆっくりと唇を合わせていく。
ついさっき玄関で交わした、乱暴で切羽詰まったそれとはまったく違うキス。
ユリは目を閉じて、受け入れる。
時々頬や瞼にも口づけすると、恥ずかしそうに顔を背ける彼女。
「だめ・・・・ちゃんと俺を見て?」
そうしたら・・・・
不安になんかさせない・・・
だからいつでも俺を見ていろよ・・・
絶対に・・・幸せにしてやるから・・・
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