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「あぁ、お疲れさん。」
『今、電話大丈夫?』
「ん、まぁ大丈夫だよ。・・・どうした?」
『突然ごめんね。ちょっと氷室くんに訊きたいことがあって電話したの。』
「訊きたいこと・・・?」
小原が「訊きたいこと」というのは、先月一緒だった研修の内容について。 そんなことを訊いてどうするのかと思いながら、覚えている範囲で答え、3分程で電話を切った。
先週の電話も、誰にでもわかる内容なのに何故わざわざ他店の俺に問い合わせてきたのか少し疑問だったが、あまり深くは考えなかった。
しかしその2日後にも、電話がかかってきた。
『氷室くん?小原です。』
「あぁ、おつかれ。」
『この前はありがとう。今、平気?』
「あぁ。・・・また、何か知りたいのか?」
『・・・今日は訊きたいことがある訳じゃないのよ。・・・ちょっと、氷室くんと話したくて。』
「え・・・あ、そう・・・。」
それからしばらく、小原と話した。
さすがに恋愛音痴の俺でも、小原の会話の端々に見える自分への好意に気付いていった。
電話を切ったあと、ドッと疲れてソファの背もたれに体を預ける。
まいったな・・・
こんな時はどうすりゃいいんだ・・・
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