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「おかえり。」
呼び鈴が鳴ってドアを開けると、俺の顔を見るなり弾けるように笑うユリが立っていた。
自分の体を横へ移動させ、スペースをつくって彼女を部屋の中へと誘う。
1週間の出張から今日戻る予定だった彼女。
そのまま会いに来てくれると確信していた。
大きなボストンバックをその手から奪うと、俺はソファの横へ置いた。
おもむろに振り返り、1週間ぶりのエクボを見る。
「おいで。」
「・・・・・。」
両手を広げ、腕の中へ彼女をしまいこんだ。
あぁ、この感触だ・・・
この香りだ・・・
「頑張ってきたか?」
「・・・はい。」
「今日、ユリが来てくれると思ってた。」
「・・・・・・。」
「会いたかったよ。」
「私も・・・・・会いたかった。」
自然に顔が近づいて、小さなキスをする。
久しぶりに触れた唇の柔らかさに、会えなかった時間堪えていたものが胸の中に溢れだした。
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