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俺が彼女との「未来」を意識し始めてから、数ヶ月が経過した。
ユリがその事をどう思っているのかわからない。
しかし俺は、少しずつ行動に移していた。
彼女との交際が始まる前より格段に、俺は仕事へ真摯に向き合っている。男として、自分に出来る範囲で結果を残し、彼女の一生を任されるに相応しい人間になりたかったからだ。
それほど、ユリを大事に思っていた。
この数ヶ月、二人の関係は順調だった。
お互い忙しい中でも時間を見つけては食事をしたり、毎日の通勤電車や短いメールのやり取りで気持ちの繋がりを感じたり。
特にこのところのユリは新規にオープンする店舗への応援勤務で多忙を極め、ほとんど会えない状態だったが、お互いがお互いを理解し合っていたと思う。
付き合い始めた頃よりも今のほうが、気持ちが大きく、そして深くなっていた。
もはや「好きだ」という言葉では伝えられないほど、もっと特別な感情。
だからこの関係が壊れることなど、全く考えもしなかった。
「あの時」までは・・・・・
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