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「急にすみません。何か予定があったんじゃないですか?」
久しぶりに俺の部屋を訪れたユリは、疲れからか少し痩せているように見えた。
それでも彼女はソファの定位置に座って、笑顔でいてくれた。
「急だって構わないさ。予定はキャンセルしたよ。」
「わ、ごめんなさい。沢田さんたちでしたか?」
「・・・・・まぁ、そんなとこ。」
俺がコーヒーを淹れていると、今の今までニコニコ笑っていたユリが、ソファの背もたれに寄りかかりウトウトし始めた。
こんなことは初めてで、俺にだけ無防備な姿を見せる恋人を見て、何とも言えない幸福感に包まれる。
「ユリ、疲れてんだね。少し寝ていいよ。起こしてあげるから・・・・。」
返事も出来ないほど眠い様子のユリの隣に座り、長い柔らかな髪を撫でる。
ゆっくり、ゆっくり、と。
「こんなに疲れて可哀想に・・・おやすみ、ユリ。」
ユリ・・・
俺がそばにいるから、安心して眠れよ・・・
起きるまで、ずっとそばにいるからな・・・
そしてこの後
二人の関係を揺るがす、出来事が・・・
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