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「ユリ、俺を信じろよ・・・・・。
俺はユリを愛してる。」
どうしても今、この言葉を伝えたかった。
彼女を失いたくない。
彼女の誤解を解きたい。
その一心だった。
「俺はユリさえいてくれたら、何もいらない。他の誰もいらない。・・・前にも言ったろ?・・・あれから気持ちは変わってない。むしろ前よりずっとユリを大事に思っている。」
「・・・・・。」
「本当に・・・ユリだけなんだ。」
「・・・・・。」
「俺を信じろ。」
涙を流す彼女の目をじっと見つめ、肩を持つ手に力を込めた。
「あの電話は、新宿店の同期で小原ってヤツだ。今日、小野寺や沢田たちと飲む約束だった。・・・・つっても、彼女は急な仕事の都合で来なかったらしい。」
「・・・・・。」
「実は最近、何度も彼女から連絡がきてた。」
「・・・・・。」
「他店の同期なんて、研修でしか顔を合わせなかったけれど・・・急に。」
ユリは何度も指で涙を拭いながら、俺の一言一言に相槌をうって、真剣に聞いてくれた。
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