4424人が本棚に入れています
本棚に追加
/194ページ
ユリと過ごす休日は、２ヵ月ぶりのことだった。
お互いがお互いの仕事に向き合い、気づいたらこれほどの月日が過ぎていた。
気持ちは少しも離れていないつもりだったが、ほんの数日前にそれを揺るがす出来事があり、もしかしたら彼女を失うかも知れないと苦い思いをした。
あんな思いはもう御免だし、二度とユリを悲しませたくない。
そんなことがあって、俺はまたユリへの想いを深く強くしていった。
「ユリが、応援勤務してる間さぁ・・・。」
「えっ？・・・・あ、はい。」
「約束してる電車に、ユリは乗っていないって知ってても・・・つい先頭車両に行っちゃうんだ。」
「・・・・・。」
「今日もいない、また今日もいない、って思うんだけど・・・なんとなくユリを捜した。」
「・・・・・。」
「笑えるだろ？子供で・・・。」
「・・・・・いえ、嬉しいです。とても。」
「さっきも、ウトウトしてたらユリが隣にいて、急にお前が欲しくなった・・・理性がぶっ飛んで、ついあんな風に。」
「・・・・・。」
最初のコメントを投稿しよう！