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今日は一日俺の部屋でゆっくりしようなんて自分から言っておいて、映画のDVDを観ながら居眠りをしてしまった。 目が覚めた時、彼女の香りが鼻をくすぐり、瞬時に心の底から彼女を抱きたいという欲求が沸き上がって、自分をコントロール出来ないまま行動を起こしてしまった。 結局はそんな乱暴な俺を受け入れてくれた彼女だが、久しぶりのことに優しく出来なかった自分を反省していた。 「結局・・・  ヤバいほどユリに惚れちゃってんだよな、俺。」 彼女は黙ったまま、ぎゅっと俺の手を包み直した。 辺りはすっかり陽が落ちて、無数の星が綺麗に夜空を飾っている。 車が第三京浜をおりて横浜をすり抜け藤沢に入る頃、彼女は俺がどこへ向かおうとしているのか気づき始めたようだった。 海岸沿いの国道から右折してほどなく、見覚えのある二人の想い出の場所にたどり着く。 助手席のユリは驚いた顔で店の看板を凝視し、ゆっくりと俺に視線を移した。 「着いたよ、ユリ。」 「・・・・・。」 「ここ・・・・・覚えてる?」 「・・・・・もちろん、です。」 「良かった・・・・・さあ、入ろう。」 そして彼女は、徐々に笑顔へと変わっていく。 その顔・・・ そうだよユリ 俺はその顔が見たかったんだ・・・
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