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「ん。似合う。」 彼女の誕生日プレゼントに贈ったピアス。 それはピンク色のバラをモチーフにした、あることを意味するピアス。 柔らかな長い髪から、揺れて時折覗かせるその小さな輝きが彼女の雰囲気にぴったりで、俺は思わず手を伸ばして髪を撫でた。 「ユリ・・・・・泣くなよ。」 「・・・・・はい・・・・。」 やはり俺は、彼女の涙に弱い。 この涙は悲しみの涙でないことなど知っているが、それでも戸惑ってしまう情けない自分が、確かにいる。 俺のそんな表情を見て察したのか、ユリはハンカチで頬を拭うとにっこり笑ってみせた。まるで子供のような笑顔に、また俺の胸の奥が掴まれる。 「ん・・・・・そうそう、いいコだね。」 口では大人ぶって、あやすように彼女へ語りかけたが、喜んでもらえたことが嬉しくてたまらなかった。
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