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会社を休んで2日目の夜。 ベットで苦しみながら寝返りをうつと、ガシャガシャと何かの物音で目が覚めた。 体は、鉛のように重い。 呼び鈴も鳴ったような気がするが、それに反応する気持ちはなく、宅配業者やセールスなら黙っていればいなくなるだろうと思っていた。 「氷室さん!ユリです。開けて!!」 え?・・・・ ユリ?・・・・ 何度も鳴るチャイムと、ドアを叩く音。 そして、彼女の叫ぶ声を俺はこの時初めて聞いた。 無意識だった。 動かない筈の体を起こし、フラフラと寝室を出て玄関へと足を運ぶ。 チェーンでロックされたドアの隙間から、見覚えのあるコートが揺れている。 幻覚かと思った。 大声を出す筈のない彼女。 ここにいる筈のない、来る筈のない彼女。 まさか・・・・ 本当に、彼女なのか?・・・・ 「ユリ?・・・・・。」
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