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「氷室さん・・・いつからですか?」
「・・・2日前・・・夜から・・・。」
「熱は?」
「今は38度ちょっと・・・。」
部屋へ入れてくれと言っていた先程のユリとは違い、それからは驚くほど落ち着いていた。
枕元にある薬の袋を調べると、俺にまた熱をはかるように促してから寝室を出ていった。
体温計を脇に挟んでじっとしていると、遠くから米を研ぐ音がする。
まいった・・・・・
こんなカッコ悪いところ
ユリには見せたくなかったな・・・・
「38度5分ありますね。」
「はぁ。ユリ・・・本当に帰りなさい。」
「氷室さんっ。」
「・・・・・。」
彼女の厳しい口調に、驚く。
「もし逆に私が高熱を出していて、帰ってほしいと言ったら・・・・・氷室さんは私をおいて帰りますか?」
「・・・・・。」
「私、帰りません。何を言われても。」
「・・・・・。」
「・・・コンビニへ行ってきます。食べるものがないので、買ってきます。・・・何か食べて、お薬を飲んでから寝てください。・・・そしたら、帰りますから。」
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