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「ありがとう。」
食欲がないと思っていたが、出来立ての粥は驚くほど旨かった。
残したら彼女に悪いと食べ始めたのに、気がついたら茶碗一杯を平らげていた。
「ご馳走さま、旨かった。」
彼女は茶碗を受け取り俺の顔を見たが、ニコリとも笑っていなかった。
薬を飲んで横になると、体が温まったからなのかすぐに眠くなり、次に目覚めた時には2時間近く経過していた。
あまり汗をかかない体質なのに、肌着がびっしょり濡れている。
うわ、すげぇ汗だ・・・・・・あれ?
なんか頭がスッキリして、楽になった?・・・
急にユリのことが気になって寝室を出ると、台所でグツグツ何かを煮る音がして、俺に気づいた彼女が近づいてきた。
「あの・・・どうですか?」
「なんだか、スッキリした。」
「・・・良かった。」
安心させたくて俺は彼女に向かって笑ったが、彼女にはやはりいつものエクボは見られなかった。
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