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『もしもし?おはようございます。』 「おはよう・・・ユリ。」 翌朝、彼女は俺に電話をくれた。 その頃にはもう体温が平熱となり、かなり体は楽になっていた。片手で窓の鍵を開け、外の空気を締め切っていた部屋の空気と入れ換える。 携帯から聞こえてくるユリの声にテンションがあがって、その空気の薫りまで違って感じるから不思議だ。 彼女は無意識のうちに、俺の暮らしを彩り豊かなものにしていくらしい。 そんな、魔法のような力を持っている。 「これから会社か?」 『はい・・・昨日より声が元気ですね?』 「ん。熱は下がったけど、まだ完全じゃないから会社は休むよ。ユリが作っといてくれたスープと握り飯、食った。旨かった。」 『はぁ・・・良かった。じゃあ、会社の帰りに寄りますね。食べたいものがあったら、メールしてください。』 ちくしょう・・・ 可愛いこと言いやがるなぁ・・・ 見られていないことを良いことに、電話口で一人にやける。 「ユリ・・・待ってる。」 『・・・・・はい。』 本当に、待ってる・・・会いたいよ・・・
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