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「ただいま、ユリ。」
今日も彼女は、俺の帰りを待っていてくれた。
「お帰りなさい。」
にっこり笑ってドアを開けた彼女は、俺の選んだエプロンをつけていた。
部屋の中からは、夕飯の良い匂いが漂っている。
俺はたまらず、まだ靴も脱がないうちから彼女を抱きよせ、腕に力を入れる。
「ユリぃ・・・・可愛い。最高だ。」
「ふふっ、氷室さんはこのエプロンが好きだから、喜んでくれるかと思って・・・。」
「ん、大好き・・・。」
腕の力を緩め、ユリの腰に両手をまわして顔を見つめると、「大好き」の言葉に反応してはにかむ彼女。
チュッと軽くキスを交わすと、再び抱き寄せて今度はその髪の香りに唇を落とす。
「氷室さん、お腹すいたでしょう?」
「んー、腹減ったー。」
「ご飯出来てますよ?着替えてきてください。」
「わかってる・・・でも。もう少し。な?」
「・・・・・もう。」
「ユリ?・・・・。」
そう言って笑いながら、自然と顔が近づいて唇が触れ合った。
彼女との、結婚。
決意してから、俺は様々なことを考えた。
その一つに、彼女へのプロポーズがある。
俺は、決めていた。
仕事で目標を達成したら、すぐにユリへ結婚を申し込もう・・・・・と。
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