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「カァー、よくもまた・・・まあ、いいよ!お前らこう見るとお似合いだし、応援してやる。」 「サンキュ。」 「早く行けよ。」 「ああ。小野寺と遠藤は?飲みにいくのか?」 「そーだよ!クリスマスに男二人でなっ!」 「ハハ、仲いいなぁ。・・・・・んじゃあ。」 駅に到着し、ホームへ二人で並んで立つ。 柱の陰の定位置までくると手を繋いで、俺のコートのポケットへ入れる。 「氷室さん、バレちゃいましたね?」 「んー。バレたもんはしょうがねぇな。」 「・・・・ですね。」 「・・・・・まぁいいか。」 「『俺の彼女』って、初めて言われました。」 「ああ。」 「やっぱり、嬉しいですね。」 「そう?」 笑いながら、大きく頷くユリ。 その仕草が可愛くて、無意識に彼女の頭を撫でた。 「このコ・・・・・俺の大切な彼女。」 俺が選んだ、たった一人の女性。 「自分は彼女と不似合いではないか」という足枷は、いつの間にか彼女によって取り払われていたのだ。 目の前にいる愛しい彼女を 俺は、全ての人に自慢したくなっていた。
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