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その後、駅前のケーキ屋で小さなクリスマスケーキを買い、二人で俺の部屋へ帰った。
着替えている間にユリがコーヒーを淹れてくれていて、ソファに座ると目の前のテーブルに用意されていた。
「氷室さん、初日の出はどこへ見に行きます?」
「芝浦ふ頭や葛西臨海公園からも見えるけど、東京タワーも1日の朝は日の出の時間に合わせて営業するらしい。」
「わぁ、晴れるといいなぁ。」
「ユリはどこがいい?」
「えっと、人がたくさんいるところよりも、寒くても良いので海・・・・・ですかね?」
「ん、わかった。」
「・・・楽しみ。」
「・・・・・。」
海と言われて、内心ホッとした俺。
プロポーズを考えていた時から、誰もいない海岸だったら、俺の気持ちが伝わりやすいと思っていた。
「ユリ・・・おいで。」
ケーキの皿やカップの後片付けをしてくれたユリに、自分の膝を叩いて合図をする。
「・・・・・はい。」
微笑んでそれに応じた彼女。
俺は腰に手をまわしながら、リモコンを取ってテレビの電源を消す。
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