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いよいよ、彼女に結婚を申し込む。 自分で決めた明日という日。 何日も何日も、彼女へ贈るプロポーズの言葉を考えていたが、未だに答えがみつかっていない。 ネットで調べたり、本屋で立ち読みしたり、昔観た映画やドラマのセリフを思い出してみた。しかしどれも、当たり前だが自分の言葉ではない気がしてしっくりこない。 考えあぐねた末に辿り着いたのは、いたってシンプルな「結婚してください」だった。 こんな俺に彼女は呆れるだろうか。 こんな俺の気持ちを受け取ってくれるだろうか。 目を覚ましたのは、午前3時少し前だった。 「あぁ、3時間くらいは眠れたか・・・。」 ゆうべ、緊張のためかなかなか寝つけなかった俺は、独り言を言いながらまだ眠い目を擦りベットから起き上がる。 ふと横にある引き出しを見た。 そこには今日ユリへ贈るために用意した、ダイヤモンドの指輪が入っていた。 黒いベルベットの箱を手にして、蓋を開けてみる。 彼女は喜んでくれるだろうか。 きっと、いつもの笑顔をくれるに違いない。 すっきり目が覚めた俺は、ひとり口角だけで笑いながら、それを元あった場所に戻した。
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